突然ですが、ワゴンRって軽自動車の中でも小さめのクルマというイメージがありませんか?
実は、ワゴンRの車名の由来は「セダンもあるけど、ワゴンもある」→「ワゴンあーる」なんです。
ワゴン車とはタント・スペーシア・N-BOXのこと。そうしたクルマと似ているワゴンRは、工夫をすれば、同じように車中泊ができる広さがあります。
では、どんな風にすれば寝られるのか? ワゴンRで車中泊するメリットは?
そんな不安を解決して、初めての車中泊を快適にできる情報をまとめてみました。
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ワゴンのRが車中泊向いている点
車中泊向けのポイント3つ
- S-エネチャージにより、減速時に発電&充電してエンジンをサポート
- 他の人気車とくらべて、新古ともに車両価格が安く設定されている
- 実燃費で20km/L超えという燃費の良さ
(参考元:ワゴンR/スズキ|燃費記録 – みんカラ)
ワゴンRは、車中泊を想定されて設計された車種に比べると収納スペースや完璧なフルフラットという点で劣りますが、ちゃんと寝られるだけのスペースがあり、車中泊なんてムリ!というクルマではありません。
特に1人で車中泊をする場合、助手席前倒しで寝られる+燃費が良い+そもそも車両価格が安いので、とてもバランスが取れています。
180cmほどある大柄の方でも、1人で車中泊をしているという口コミもあります。浮いたガソリン代で、その土地ならではの名産品を食べたり日帰りで温泉に行ったり——自由度の高い旅を叶えてくれるのが、ワゴンRの魅力です。
ワゴンRの車中泊に適したグレード
軽自動車のスペーシアやハスラーと同じく、一番安いグレードであるFAには装備されていない機能があります。※2017年6月時点、5代目ワゴンRの場合です。
- チルトステアリング機能……運転席のステアリングの高さを変えられる
- 運転席のシートリフター
この2つの機能はグレードFXやFZには装備されています。この装備がない場合、運転席側で寝るときに頭や足に触れたりするので、少々窮屈に感じるところがあります。
といっても、この装備があるかどうかで快適性に大きな差があるわけではありません。あくまでグレード選びの参考程度に考えてください。
実際に寝るときの車中泊スペース
実際に車中泊をする際のスペースと活用方法を見ていきましょう。
- 奥行き:195~217cm……180cm前後の長身の男性でも足を伸ばせる。
- 横幅:50~110cm……大人2人で横並びで寝られる。大人と子どもなら十分な横幅。
- 高さ:90cm……成人男性でもギリギリ背を伸ばして座れる。子どもなら立って着替えられる。
写真にあるように、ワゴンRの場合はシートアレンジによって奥行きに差が出ます。
助手席シートは前倒しできますが、運転席はリクライニングしかできません。これが「ワゴンRの車中泊は1人向け」という意見が多い理由です。
ワゴンRのシート間のデコボコは工夫次第で解消できるレベルなので、シートアレンジを理解しておけば、2人分のスペースが作れます。
シートアレンジについて
①公式フルフラット 前席リクライニング+後部座席リクライニング
(引用元:ワゴンRスティングレー 収納スペース | スズキ)
このシートアレンジの特徴
- 前席のグローブボックスまでの奥行き175cmのスペース。長身でも寝られる。
- 後部座席をリクライニングすれば、背もたれを作れるのでくつろげる。
- 荷室が荷物を積んであるときでも使える。連泊で荷物が多いときに向いている。
助手席側だけでなく運転席側もリクライニングすれば、2人でも寝られます。クルマの後方側が若干高くなるので、自然と後ろへ頭を向けて寝ることになるでしょう。
デメリットとしては、175cmオーバーの高身長の方では足を伸ばして横になれません。また、本来は座る目的のシートの上なので、多少のデコボコがあり、身体のあちこちに体重が掛かります。人によっては寝苦しいと感じるでしょう。
板を敷くなど、段差や高低差を改善すれば、きちんと眠れて背もたれも使える快適なアレンジとなります。
②前倒しフルフラット 前席前倒し+後部座席前倒し+荷室
このシートアレンジの特徴
- 前倒しにした前席までの奥行き195cmのスペース。長身でも足を伸ばして横になれる。
- アレンジの中で最もデコボコが高低差が少なく、フルフラットに近い。
- 隙間をうまく活用すれば荷物を収納しておくことができる=シートの上が広く使える。
こちらは1人向けとなります。助手席シートは前倒しできますが、運転席は前倒しが難しいからです。
デメリットとしては、前方に向かって若干の傾斜があったり、一度セッティングすると戻しづらかったりします。
さらに悩ましいことに前席と後部座席の間にある隙間があるのですが、うまく使えば荷物の収納スペースとして活用できます。
③非公式フルフラット 前席リクライニング+後部座席前倒し+荷室
(引用元:もっといいことん。 | ワゴンR スティングレーT (MH34S)のインプレッション。)
このシートアレンジの特徴
- 前席グローブボックスまで奥行き最大217cm。最も広いスペースが取れる。
- クルマの後方へ頭を向けて寝れば、段差が少ない荷室に上半身を預けて横になれるので快適。
- リクライニングなので、一度セッティングすると戻しやすい。
①の公式フルフラットよりも広く、フルフラットに近いアレンジです。もちろん、2人で寝られます。
②の1人向けのアレンジと違って、前席と後部座席の間の隙間を埋める必要がないので、荷物が少ない場合に適しています。
デメリットとしては、前席の関節部分などデコボコが多いです。こちらも板を敷いたり、段差を解消して下地を作れるようにマットなどの準備が必要となります。
車中泊のクルマにワゴンRを選んだ際の注意点
前席シートの裏を踏み抜かないようにする
ワゴンRスティングレーでは、運転席と助手席のシート裏面が柔らかく、沈み込む造りになっていました
外枠のフレームの上に乗れば問題ありませんが、間違って真ん中を踏み抜かないように気をつけましょう。
荷物の収納ができるか事前に確認しておく
フルフラットにして車内全体をベッドスペースとして使う場合、荷物の置き場所が限られます。
前席と後部座席の間にある隙間ほどのスペースに押し込むか、助手席下の収納スペースを使いましょう。
こちらの収納用のケースは、取り外して持ち運ぶことができます。
ワゴンRで快適に寝るための方法
カーテンとしてダンボールを使う
ワゴンRのような軽自動車の場合、窓の高さ的に外から見えやすくなっています。防犯的にはもちろんのこと、安眠のために目隠しやカーテンが必要となります。
もし一回限りの車中泊であれば、コストを抑えるためにダンボールを使うという手があります。ダンボールの端に引っ掛けを作り、窓ガラスに挟むというカンタンな手順で取り付けできます。
(引用元:車中泊仕様 | K.Kの日記 )
冬場には、銀マットを使って断熱性を高めれば眠りやすくなります。毛布やシュラフがあっても、窓の対策をしなければ、結露で一気に室温がグッと下がるので対策した方がいいですよ。
何度か車中泊をする予定であれば、取り付けの早さと快適性を考えて市販のカーテンを買っておくと便利です。
ダンボールや銀マットのようにゴミにならないうえに収納しやすいアイテムがあります。
銀マットを組み合わせれば、防寒・遮音・遮光というパーフェクトな環境が作れます。長旅の方におすすめですね。
フロントガラスとリアガラスにはサンシェード
夏冬問わずに使いまわせるのがサンシェードです。特に運転席が外から見えるのは防犯的に危ないので、必ず用意しましょう。
夏場は目隠しの虫除け用のカーテン
夏場は、窓を開けて換気しなければ、暑くてなかなか寝られません。
ぼくの体験談ですが、虫が一匹でも車内に入ると気になって間違いなく寝られません。
絶対に虫が入らないようにするために、網戸となる虫除け用のカーテンを取り付けることをおすすめします。
特に山に行かれる場合は必ず用意した方が良いです。
シートの段差・隙間と解消方法
シートアレンジ①と③:前席の座面と背もたれの高低差
(引用元:車中泊に「マット」は必須!ランキング上位のマットを自腹で買って比較してみた | MOVE ABOUT)
シートアレンジ①と③の写真の通り、前席の座面は一段と低くなります。若干斜めにもなっていますね。
深いところは10cm近くあるので、折りたためるマットレスや毛布や枕などを用意しておきましょう。この高低差を埋めて水平に近づければ、板を通して快適に寝られます。
シートアレンジ①と③:前席と後部座席の高低差
前席をリクライニングした場合、後部座席との間におよそ2~3cmほどの高低差が出るところがあります。浅いところなのでタオルや毛布で埋めるようにして調整しましょう。
※運転席シートリフターで高さを調節することで、ある程度高低差を埋められます。
先ほどの深いところを埋めて高さを合わせたところで、硬めのマットレスや布団、長板を通します。横になったときに全体に体重を分散させられないと快眠できないので、事前のチェックと準備をお忘れなく。
シートアレンジ②:助手席裏側の柔らかさの改善
こちらはシートアレンジ②で助手席を前に倒したときの対策です。
前席の裏面と後部座席との間には、およそ4~5cmほどの高低差があります。ここでシートの中央にクッションや枕を乗せると、写真のように沈み込んでしまいます。
なので、シートの外枠に乗せるようにして硬い板やマットレスを敷くようにしましょう。助手席の片側で、タテヨコ40cmほどの板状の物であれば、ちょうどシートに載せられます。
実際には、組み立て式コンテナボックスやマットレスを使う方が多いです。使い回しを考えると、買っておいて損はないアイテムです。私も、予備として格安のマットレスを積んでいます。
シートアレンジ②:前席と後部座席の間にある隙間
こちらは、高さ38cm×奥行33~38cm×横幅50cmの最も大きい隙間になります。2人で寝る場合は横幅100cmほどで想定してください。
さっきと同じようにタテヨコ50cmほどの板を渡すか、コンテナボックスを重ねて埋めます。荷物でうまく埋められるのであれば、収納スペース代わりにもなって一石二鳥です。
ワゴンRの車中泊マットレスについて
1人で車中泊をする場合
幅広く使える携帯性に優れたサーマレスト
こちらのサーマレスト(レギュラータイプ)は、8000円ほど。
アウトドア全般で利用できるようにクッション性が高められており、岩場や小石のうえで敷いても多少のゴツゴツは気になりません。片側にアルミ蒸着が施されており、断熱性や摩耗への耐性もバッチリです。普通の銀マットとはまったく違います。
重量は、Zライトの名前通り、レギュラーで490g。ペットボトル3個分ほどです。他のマットレスは1kgを越えるものが多いので、他のマットに比べて半分以下の重さということになります。
折りたたみ式でカンタンに展開&収納できるので、車内で保管しやすいのもメリットです。
キャンプや登山時などのアウトドアシーンで幅広く使えるので、サーマレストの方が何かと便利な方もいるでしょう。DIYや加工が面倒くさい、すぐに使いたいという方にはもってこいです。
しっかり寝られる車中泊用エアマット
こちらのFIELDOORのマットは1枚6000円ほど。サーマレストより安く手に入るエアーマットです。
5cmという十分な厚みがあり、長さは200cmもあります。低反発マットのような寝心地があり、ぐっすり眠れます。ぼくは2枚重ねて10cmの厚みを作って寝ていたのですが、車内とは思えないほど快適に眠れました。レビューでもよく寝られると好評です。
ツマミを捻ってバルブを開くだけでカンタンに膨らむ設計になっており、使わないときには空気を抜いて折りたためます。荷室に積んでおけるサイズです。
セッテイングと寝心地の良さを考えると、非常にコスパが良いです。純正品の7分の1ほどの値段ですからね。
写真のように2枚連結して2人用にしたり、ぼくのように重ねて10cm厚のベッドを作ることもできます。屋内でも使えるので、来客時の簡易的な寝泊まりにも使えますよ。
2人で車中泊をする場合
とにかく安いニトリのウレタンマット
こちらのニトリの6つ折りマットレスは、3000円という安さで手に入ります。
2人用であれば、運転席のスペースを使ってマットレスを敷き詰める方法があります。スペースにぴったりにはまり、非常にリーズナブルなので、ホンダのN-BOXのカタログでも推奨されているそうです。
実際のサイズは、幅100cm×奥行き200cm×厚さ3cm。これひとつで車内全体に敷き詰められるのは便利です。
デメリットとして、他の汎用マットレスに比べると少し薄いので、断熱性とクッション性が低いです。段差が多い車種には不向きなので、ところどころクッションなどで段差を埋めなければいけません。
また、折りたたんだ状態でもかさばります。車内に保管する際はスペースを取りますが、ワゴン車として車高があるスペーシアなら上手く収納できそうです。
しかし、3000円というずば抜けた安さとニトリで買える手軽さが魅力です。年間50泊以上の使用頻度が高い方にはオススメできませんが、とにかくコストを安く抑えたいという方に向いています。
低価格エアマットの二枚セット
先ほど紹介したFILEDOORのエアマットであれば、2個合わせても1万円以内に収まります。
年に一度なら悩むところですが、2〜3回は車中泊するユーザーからすれば、一回につき2〜3000円という安宿並の安さになります。翌日に疲れを持ち越して残念な思いをしないためにも、しっかりとしたマットを用意しておきましょう。
寝心地の良さやコスパの良さが評価されているので、値段で迷われている方こそ、ぜひチェックしてみてください。
まとめ:ワゴンRで楽しい一人旅を
「軽自動車だから寝るのはムリ」と思っていた方も、実際にワゴンRを買ったあとに「車中泊できる」と驚くことがあるそうです。
工夫次第で寝れると分かれば、ワゴンRで遊びに行くのが楽しみになりますね。暑い時期は大変ですが、GWや秋の行楽シーズンには快適な旅ができます。
ワゴンRの違った使い方を知るきっかけになれば幸いです。
ワゴンR
メーカー:スズキ
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