「今売っても損しないか?」
「いつなら高く売れるの?」
車を売った経験が少ないと、高い安いもよく分からないし、売る時期をいつにするか迷いますよね。
もし1ヶ月以内に車を売る予定でお考えなら……それは正解です。どんな車であっても「損しない、高く売れる」瞬間は今この瞬間です。
ご存知の通り、走行距離が増えて型落ちになれば車の価値はどんどん下がります。業界の査定基準に合わせて毎月値下がりするからです。
しかし、まだ売却時期が決まっていないなら3月と9月の決算期前に合わせないと損をします。美味しい思いをするチャンスもありません……
この記事では、車が高く売れる時期や売っても損しないシーズンがある理由、そして売却のタイミングを今決められる知識をお伝えします。
2019年に控えている消費税増税も大きく影響します。売るタイミングひとつで5〜10万の差額が出てもおかしくないので、ぜひ最後までご一読ください。
車を売るときに高く売れる時期やシーズンは?
買い取りされた中古車は、買取(仕入れ)の後に直接お店に並ぶか、業者間のオークションに出品されます。
中古車販売店は、直接仕入れた車かオークションで仕入れた車を1ヶ月ほど点検・整備してから店先で販売を始めます。
そのため、二度の決算期とボーナス時期の1〜2ヶ月前である【1〜2月】→【8〜9月】→【10〜11月】は、買取が強化される=相場以上で売れやすい時期となります。
もっとも高く売れやすいのは決算期前の1〜2月
一年で一番中古車が売れる時期は、新生活シーズンの需要と中古車販売店の年次決算期が重なる3月です。
3月の決算期は、中古車の登録台数が他の月の1.5倍以上。この時期に集中して売れているのわかります。
実は、1月は一年のなかでもっとも中古車が売れない時期で、3月の半分しかない年もあります。
つまり、決算期前の1〜2月は販売を抑えて大幅に仕入れを強化している時期というわけです。
販売店はなんとしても在庫を仕入れないといけないので、相場通りあるいは相場以上の査定額が出るようになります。
決算期前は、査定額が相場を下回って損する可能性が低いだけでなく、相場以上の高値で売れる見込みがあるシーズンだと覚えておきましょう。
次に高く売れやすいのは中間決算期前の7〜8月
7〜8月は、中間決算期の9月に備えて在庫となる中古車の仕入れが強化されます。
実は、8月は新車・中古車ともに大きく販売が落ち込む月でもあります。
お盆や帰省で買い替えが減ったり、ボーナス時期と中間決算期前の谷間で買い控えが起こる時期だからです。
1〜2月と同じく、多く売れない期間(7〜8月)は仕入れの準備期間です。このタイミングに合わせれば、損しない売却になる可能性が高くなります。
2019年10月1日から消費税率が10%になり、単価が高額な車の消費税は大きなインパクトとなります。
仮に車体価格が100万円を超える場合は8%→10%で2万円も増額されます。
2019年に限り、9月の増税ショックに備えて中古車販売店が7〜8月の買取を大幅強化するので熱い時期になると見られます。
ボーナス需要で高く売れる6〜7月と12月
決算期ほどではありませんが、夏ボーナス後の6〜7月、冬ボーナス後の12月も中古車が多く売れる時期です。
とはいえ、先ほど説明した1〜2月と7〜8月に近いので、急ぎでなければ決算期前まで待った方が良いでしょう。
ただし、お店によっては「この車なら、今売り先があるから高くても仕入れたい!」というケースがあります。
ミニバンやSUV、輸入車といった専門車種を扱う専門店は、入荷待ちのお客さんを抱えているときがあるからです。
なので、決算期前ではなくボーナス時期に備えて売るなら「できるかぎり多くのお店に見てもらおう、査定してもらおう」という意識が必要です。
車種ごとの買取相場は、こちらで5年落ち・10年落ちなどの年式ごとに分かりやすくまとめています。
→メーカー別 中古車の買取相場・リセールバリュー(残価率)一覧
車を売るのにベストなタイミングは?
車が高く売れる時期が分かったら、次に自分だけのベストな売却タイミングを考えましょう。
①自動車税の納付通知が来る4月1日以前に売却する
自動車税は毎年4月1日に納付通知書が届きます。
自動車税は1年分の前払いなので、4月1日以前に車を売却(厳密に言えば抹消登録)すれば、払いすぎた分が還付されます。
この還付は、基本的にディーラーや買取店の買取金額に上乗せされて戻ってくる仕組みになっています。
※軽自動車の場合は還付の対象外です。
つまり、4月1日以前に車を売却すれば手続きが一括で終わり、4月1日以降の場合は還付の手間が掛かる可能性があります。
これを踏まえて、4月以前に売却しようと考える方が注意しておくべき点は2つです。
- 買取店の担当に対して、買取金額に自動車税の還付分が含まれているか確認する。
- 自動車税の還付委任状(見本)を出されても押印しない。委任状は自動車税が還付されても受け取りを放棄するという内容。
もし面倒を避けたいのであれば、繁忙期の3月以前となる1〜2月の売却がベストです。
よくあるトラブルとして、3月末までに車を売ったのに自動車税の納付通知書が送られてくる場合があります。
これは、繁忙期の買取店が4月1日以降に一時抹消登録や名義変更を行ったせいです。
このときに自動車税を支払う責任はありませんが、わざわざ問い合わせて買取店に対応してもらう手間が掛かります。
②車検を受けた後より車検前に売却した方が得する
車検には【重量税・自賠責・印紙代・検査費用・申請代行料・修理調整費】といった費用が掛かっています。
重量税は前払いなので還付されますが、その他の費用は返ってきません。
この車検費用分と査定時のプラス分を計算してみると……実は、トータルでは車検を受けた後で売却するのは損になります。
日本自動車査定協会のJAAI査定基準では、2年間車検が残っている最高級車であっても査定時のプラスは最大70点(70000円)が限度です。
「70,000円なら充分」と思うかもしれませんが、こうした高級車は車検時に7万円以上の費用が掛かり、車検費用の方が高くつきます。他の車でも査定のプラス点など車検費用で吹き飛ぶでしょう。
さらに意外と知られていませんが、実は車検がまったく残っていない場合でもマイナス査定(減点)されないのです。
実際のところ、買い取られた車が業者間オークションに出品されるときは、そのほとんどが車検登録を一時抹消されます。
車検が残っていない状態が、業界の相場基準となっているので、車検が残っていない=マイナス評価とはならないのです。
③走行距離が年平均1万キロを超える前に売る
売却のタイミングを考える際は、年平均でどれだけ走っているか確かめておくと良いでしょう。
走行距離は価格と連動しています。車は使えば使うほど消耗するわけで、走行距離が増えれば価格は当然下がります。
実際の査定では、走行距離の目安となる5万・7万・10万キロを超えているかどうか、年間平均でどれだけ走ったかを見られます。
つまり、走行距離を年数で割ったときに年平均1万キロを超えており、5万・7万といった目安に近い=消耗していると捉えられます。
自分の車がギリギリのラインではないか確認しておくことで、少しでもマイナス査定を避けられます。
④ローンがある場合はできるかぎり早く売却して返済金にあてる
こればかりは、高く売れるタイミングを待つのではなく少しでも価値が残っているうちに売らなければ損をします。
たとえば、200万の新車であれば毎月約3万円ほど値下がりすると言われています。型落ちの中古車を購入した場合、さらに値落ちが大きくなるときもあります。
中古車業界では、日本自動車査定協会が毎月1日に発行するイエローブック(中古車市場価格相場表)というものがあり、査定金額の基準となっています。
この相場表の価格は毎月調整されているので、どれほど状態が良くても車の価値はどんどん目減りしています。
ローンの返済が心配という方は、まず今いくらで売れるのか知らないことがほとんどです。あなたも、まず買取金額を調べるところからスタートしましょう。
⑤新型やモデルチェンジの発表前に売却する
買取相場の値下がりには、特にマイナーチェンジより新型発表(フルモデルチェンジ)が大きく影響します。
モデルチェンジ発表後3ヶ月ほどは、値崩れ前の売却と現行在庫の処分セールが同時に起こります。
つまり、買取価格が値崩れする前に売りたければ新型発表の噂を掴んでおく必要があります。
方法としては、事前にモデルチェンジの噂や情報、モデルチェンジの周期(およそ3〜4年など)を掴んでおくことです。
また、愛車の車種だけでなくライバル車の情報も大切です。たとえばタントなら、同じタイプのNBOXやスペーシアの新型発表が影響してきます。
車種ごとの現在の買取相場とモデルチェンジ時期の予測は、こちらでメーカーごとに分かりやすくまとめています。
→メーカー別 中古車の買取相場・リセールバリュー(残価率)一覧
さいごに:車を売る時期が決まったらやることは?
買取査定で余計な手間や失敗でせっかくの休みを無駄にしたくない方は、著者の体験談を参考にしてください。
できるかぎり高く売りたい方は、一度の申し込みで複数の買取店に査定してもらえる一括査定サイトが便利です。
多くの人が利用している一括査定ですが、その便利さの反面、知られていない注意点と正しい使い方も存在します。
→車一括査定サイトの注意点と失敗パターン・サイト選びの必勝法とは?
これまで遊びに生活に様々な場面で助けてくれた愛車との別れは寂しいものです。
しかし、売るべき時期とタイミングを知り、手間や失敗を避けて高く売る方法が分かれば、あとは前向きに売却するのみ。
この記事が、スムーズで後悔のない売却の手助けになれば幸いです。