軽自動車でトップ3に入るほど人気があるスズキのスペーシア。
最近の軽自動車は車内が広く作られており、ちゃんと車中泊に対応できるようになっています。
この記事では、
- スペーシアの車中泊に向いている点
- スペーシアの実際の車中泊スペースの広さ
- スペーシアで車中泊する際のシートアレンジと注意点
について、実際にアクアの車内を見てきた著者がまとめています。
アクアへの買い替えを検討している方、アクアで車中泊をしてみたい方の参考になること間違いナシです。ぜひ一読してみてください。
読みたいところをチェック!
スペーシアの車中泊に向いている点
プリウスなどのハイブリッド車と比べて車両価格が安く、天井が高くて開放感があり、2人で寝られるスペースもちゃんとあります。なんと、ぜんぶで4種類のシートアレンジができます。
ユーザーの中には、夫婦二人で気ままにローコストな車中泊旅をしている方もいます。税金が安い軽自動車でローコスト旅行ができるなんて、良い時代になったものですね。
他にこういった車中泊向きのポイントがあります。
- ワンプッシュの両側電動スライドドア → 荷物の運び込みや車中泊での出入りがラク
- 荷室開口部は、積み降ろしにやさしい低床設計 → マットやベッドがセッティングしやすい
- リアドアのロールサンシェード → 日よけになり、目隠しになるオプション装備がある
(引用元:スペーシア 快適装備 | スズキ)
スペーシアの車中泊に適したグレード
車中泊に適したグレードは、スペーシアX・T、カスタムであればXSになります。
最も安いグレードのスペーシアGとカスタムGSのグレードは向いていません。
完全なフルフラットに近いシートアレンジにするための運転席シートリフター(運転席座面を上げ下げ調整出来る機能)と日よけや目隠しになる後部座席のロールサンシェードが付いていないからです。
実際に寝るときの車中泊スペース
・奥行き:152~198cm
・横幅:90~113cm
・高さ:110~115cm
ちなみにスペーシアの車両の高さは173.5cm。ライバルと言われるダイハツのタントは175cm、ホンダのN-BOXは177cmです。ほとんど気にならない程度のわずかな差ですね。
4種類のシートアレンジについて
スペーシアの荷室=ラゲッジスペースは、後部座席をスライドさせることで最大17cmの調整ができます。このシートスライドは左右別々に独立して動くようになっています。
①【1人用】助手席と後部座席の前倒し+荷室 198cm×57cmの縦長スペース
助手席を前に倒し、後部座席とラゲッジスペースをつなげるアレンジです。
スペーシアでは、写真のように助手席の座面を前に倒してフルフラットにできます。タントやN-BOXでは不可能です。
このシートアレンジのメリット
- 他のアレンジと比べて段差が小さく、毛布やタオルで埋めやすい。
- 奥行きのある空間ができるので、1人用のマットが設置しやすい。
デメリットとしては、若干の傾斜があること。そして、助手席の裏面が柔らかいことです。横幅は57cmほどになるので、寝返りが打ちづらいかもしれません。
シートアレンジの方法
- 助手席の座面を持ち上げる
- ヘッドレストを外す
- 助手席背もたれを倒す
- 後部座席の背もたれを倒す
- 背もたれの裏にあるストラップを引いて、前方に倒して収納する
②【1人用】後部座席の前倒し+荷室 一番ラクに作れるフラットスペース
前席を倒さず、後部座席のみ前に倒したアレンジです。
このシートアレンジのメリット
- 後部座席のヘッドレストを外して倒すだけなので、アレンジがカンタン。
- 前席や荷室の荷物を動かさなくて済むので、1人旅であれば手っ取り早くてラク。
デメリットとして、奥行きが152cmしかないので、大人が足を伸ばして寝るには窮屈です。
ただ、もし斜めに寝ることができれば、178cmの奥行きがあります。後部座席と荷室の間の約5cmの段差を埋めれば、大人でも足を伸ばして快適に寝られる可能性があります。
③【2人用】前席のリクライニング+後部座席 ゆったり足が伸ばせる
(引用元:スペーシア 収納スペース | スズキ)
前席を前ではなく後ろにリクライニングさせると、後部座席の背もたれが使えるアレンジになります。
スペースとしては、奥行き180cm×横幅110cmとなります。
このシートアレンジのメリット
- 前席をリクライニングさせるだけで、グローブボックスまでの180cmのスペースが作れる。
- 身長が180cm以下+2人での車中泊に適しており、背もたれが使えるのでくつろぎやすい。
注意点として、座席の間の微妙な段差を埋めて調整する必要があります。
④【2人用】前席と後部座席リクライニング+荷室 198cm×110cmの大空間
(引用元:リヤシートフラット化 | スズキ スペーシア – みんカラ)
先ほどのアレンジに荷室を加え、助手席側だけでなく運転席側もリクライニングすることで、奥行き198cm×横幅110cmのスペースができます。
このシートアレンジのメリット
- 車内全体を活用することで、グローブボックスまでの198cmのスペースが使える。
- 身長が180cm以上+2人での車中泊に対応できるうえ、場合によっては背もたれを作れる。
助手席と同じように運転席をリクライニングさせるので、完全なフルフラットを求めるなら運転席シートリフターが欲しいところです。
注意点として、写真のように、荷室の方で高さを調整する必要があります。
スペーシアで車中泊をする際の注意点
荷室(ラゲッジスペース)が若干狭い
スペーシアは、後部座席のスペースが広く設計されているのに加えて、開口部の部分が狭くなっています。そのため、N-BOX+や普通車と比べると、わずかに荷室が狭くなっています。
ワゴン車の高さを活かして収納するという手がありますが、荷物を多く積み込む予定のある方は事前に想定しておきましょう。
後部座席のスライド調整が面倒くさい
後部座席をスライドさせたり倒したりする際、荷室ではなく後部座席側からしか操作ができません。荷室の方から「ちょっと座席を前へ動かしたい……」というときに、わざわざ後部座席の方へ移動しないといけません。
ちょっとした不便ではありますが、N-BOXなどのライバル車では解消されています。スペーシアでの改善に期待したいですね。
(参考元:新型スペーシアの荷室の3つの欠点|使い勝手は意外に悪い!? | 試乗レビュー速報 – 軽自動車選び.com)
スペーシアで快適に寝るための方法
プライバシー保護の目隠しとサンシェード
スペーシアは、グレードによっては後部座席のロールサンシェードが付いています。
もし付いていない場合は、市販のカーテンを使いましょう。一番後ろのリアガラスの分も忘れずに。
もっとも広いフロントガラスの目隠しや遮光には、折りたためるサンシェードが便利です。
夏場の暑さ対策と虫よけ
夏場の場合は、風通しを行うため、市販されているクルマ専用の網戸を付けるのがおすすめです。
2つ以上窓を開けて換気すれば、暑さがマシになります。ただし、開けっ放しは危険なので止めましょう。
冬場の寒さ対策
冬場の場合は、寒気の流入を防ぐため、窓全面を銀マットを覆います。ホームセンターで手に入る銀マットでオーケーです。
こうすれば、結露の発生や室温が下がるのを防げます。窓の大きさに合わせてマットを切り、窓の端へ押し込みながら固定します。
スペーシアの冬場の断熱対策として、上級者向けには天井やドアの内張りに断熱材を貼るなんて方法もあります。
(参考元:スズキスペーシアの断熱:よっちゃんの車中泊 撮影記:So-netブログ)
シートの段差・隙間などの対処方法
助手席シートの裏側
助手席を前倒しにした場合、シートの裏面が柔らかく、体重を掛けると沈み込んでしまいます。
シートの枠に合わせた固い板か、厚みのあるクッションや座布団を置いた方がいいでしょう。
座席の座面の高低差(段差)
シートをリクライニングすると、座席の座面と背もたれの間に高低差ができます。
こればかりは、実際に寝て身長や体格に合わせるしかありません。クッションや座布団でも構いませんが、毛布やタオルを折りたたんで使うと調整しやすいので、予備を持っておくとベターです。
前席と後部座席・荷室と後部座席の隙間(最小3cm)
写真を見たり、実際にシートを動かしてみると「この隙間が気になる」という方もいるかもしれません。
しかし、前席のシートを後ろへスライドさせれば、この隙間は埋められます。3cmほどのわずかな隙間が残りますが、毛布などを押し込んで埋められるので、ほとんど気になりません。
後部座席と荷室の段差5cm
この段差には、柔らかい座布団やマットよりも固い板や分厚いマットの方が向いています。
実際の車中泊では、普段のベッドと違うのもあって、小さな高低差が気になって寝入りが悪くなるときがあります。
どうせならグッスリ眠って明日に備えたいという人は、旅行やアウトドアでも使えるマットやクッションを揃えておくと、車中泊のときも気持ちよく寝られます。
私も普段から車に積み込んでいますが、昼寝や飲酒後の一眠りに役立っています。
スペーシアの車中泊マットレスについて
1人で車中泊をする場合
幅広く使える携帯性に優れたサーマレスト
こちらのサーマレスト(レギュラータイプ)は、8000円ほど。
アウトドア全般で利用できるようにクッション性が高められており、岩場や小石のうえで敷いても多少のゴツゴツは気になりません。片側にアルミ蒸着が施されており、断熱性や摩耗への耐性もバッチリです。普通の銀マットとはまったく違います。
重量は、Zライトの名前通り、レギュラーで490g。ペットボトル3個分ほどです。他のマットレスは1kgを越えるものが多いので、他のマットに比べて半分以下の重さということになります。
折りたたみ式でカンタンに展開&収納できるので、車内で保管しやすいのもメリットです。
キャンプや登山時などのアウトドアシーンで幅広く使えるので、サーマレストの方が何かと便利な方もいるでしょう。DIYや加工が面倒くさい、すぐに使いたいという方にはもってこいです。
しっかり寝られる車中泊用エアマット
こちらのFIELDOORのマットは1枚6000円ほど。サーマレストより安く手に入るエアーマットです。
5cmという十分な厚みがあり、長さは200cmもあります。低反発マットのような寝心地があり、ぐっすり眠れます。私は2枚重ねて10cmの厚みを作って寝ていたのですが、車内とは思えないほど快適に眠れました。レビューでもよく寝られると好評です。
ツマミを捻ってバルブを開くだけでカンタンに膨らむ設計になっており、使わないときには空気を抜いて折りたためます。荷室に積んでおけるサイズです。
セッテイングと寝心地の良さを考えると、非常にコスパが良いです。純正品の7分の1ほどの値段ですからね。
写真のように2枚連結して2人用にしたり、私のように重ねて10cm厚のベッドを作ることもできます。屋内でも使えるので、来客時の簡易的な寝泊まりにも使えますよ。
2人で車中泊をする場合
とにかく安いニトリのウレタンマット
こちらのニトリの6つ折りマットレスは、3000円という安さで手に入ります。
2人用であれば、運転席のスペースを使ってマットレスを敷き詰める方法があります。スペースにぴったりにはまり、非常にリーズナブルなので、ホンダのN-BOXのカタログでも推奨されているそうです。
実際のサイズは、幅100cm×奥行き200cm×厚さ3cm。これひとつで車内全体に敷き詰められるのは便利です。
デメリットとして、他の汎用マットレスに比べると少し薄いので、断熱性とクッション性が低いです。段差が多い車種には不向きなので、ところどころクッションなどで段差を埋めなければいけません。
また、折りたたんだ状態でもかさばります。車内に保管する際はスペースを取りますが、ワゴン車として車高があるスペーシアなら上手く収納できそうです。
しかし、3000円というずば抜けた安さとニトリで買える手軽さが魅力です。年間50泊以上の使用頻度が高い方にはオススメできませんが、とにかくコストを安く抑えたいという方に向いています。
低価格エアマットの二枚セット
先ほど紹介したFILEDOORのエアマットであれば、2個合わせても1万円以内に収まります。
年に一度なら悩むところですが、2〜3回は車中泊するユーザーからすれば、一回につき2〜3000円という安宿並の安さになります。翌日に疲れを持ち越して残念な思いをしないためにも、しっかりとしたマットを用意しておきましょう。
寝心地の良さやコスパの良さが評価されているので、値段で迷われている方こそ、ぜひチェックしてみてください。
まとめ:スペーシアは車中泊できる
スペーシアの車中泊まとめ
- 3〜4人乗っても燃費の良さと走行性が維持できるので、ローコストな車中泊旅ができる
- 電動スライドドア、ロールサンシェードといった車中泊を快適にする装備がある
- 車内は、大人が背を伸ばして座れる高さがあり、2人で泊まったりできるほど広い
- シートアレンジは4種類あり、1〜2人用のどちらにも対応できる
室内の広さや快適さに重きをおいて開発されただけあって、車内空間最大限活用できる造りになっています。
ハスラーやタントといった人気車でも同じですが、こうした寝られる十分なスペースがあると知っておくだけで、災害などのいざという時にも役立ちます。
この記事がスペーシアの購入を検討している方の助けになれば幸いです。
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